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2011年11月23日(水)更新

メンタルヘルス・ゼミに参加。抑うつ状態の社員対応について事例を検討しました。

 みなさま、こんにちは。
 社労士の 西村介延 です。

 きのう、年内最後のメンタルヘルス・ゼミがありました。

 テーマは 「抑うつ状態」 になった社員への対応を事例形式で検討するというものです。

 新卒から8年たって新しいプロジェクトを任されますが、ひとと一緒に仕事はしたくないタイプで・・・。
 しかも一緒に仕事をする協力会社の社員は仕事ができて人望も厚い・・・。
 なんとなく孤立感を深めて遅刻したり休みがちになり、医師の診断書を出します。
 休職するほどではないが業務軽減が必要だと書いてありました。
 で、会社は業務軽減として、プロジェクトから外した・・・、以後資格の勉強をしたり休んでは旅行したりの毎日・・・。

 テーマは、「抑うつ状態」の原因はなんだったのか?
     「プロジェクトを外す対応」が業務軽減策としてよかったのだろうか?会社にとって、同僚にとって、会社にとって、どうだったのか?
     「自分が会社の立場なら」、どういう対応をしただろうか 
 の3つが、アドバイザーの産業医から出されました。
 加えて、主治医の診断書をもとにしているが、会社の産業医、または会社指定医の見解はどうだったのか、業務軽減というけれど、会社の現場を知らない主治医の意見だけで判断可能か?そもそも主治医の診断書がそんなに重い判断材料になるのか?といったことが議論されました。

 労務士会の勉強会が重なったり風邪でダウンしたり、仕事がつまっていて・・・などなどで、参加者は少なかったですが、その分深い議論ができたように思えました。

 ぼくはこの日の議論から、2つのことを思いました。

 ひとつは「メンタルヘルスマネジメント検定 一種 公式テキスト」に出てた事例です。
 工場で責任者を任された人が職人気質で、ひとと共同したくない・・・できれば責任者を外して欲しい・・・でも言い出せない。
 そこで・・・診断書を書いてもらって休職するが、旅行したり釣りをしたり・・・という状態が続き、責任者を解任されます。
 とたん、元気になってハツラツと出勤してきている・・・という事例でした。

 この事例とは、休職の有無という違いこそありますが。
 ①新しい職務に適合しないことが原因でダウン、またはダウンを装っていること、②主治医の診断書が重要な判断要素になっていること、の2点で共通すると思いました。

 で、医師の診断書なのですが、やはり主治医の診断書だと、どうしても患者の側に立ちがちです。
 医師に悪意はなくても、現に自分の目の前で病状を訴え、苦しんでいる患者に対して厳しい評価はできないのが人情というものです。

 だからこそ、休職だの復職だのの人事上の重要な判断にあたっては、産業医や会社指定医の診断と意見が求められるのでしょう。

 ふたつめ。その傍証になるかどうかわからないですが、刑事裁判に関してこんな条文があります(要点のみ抜き書き)。
 刑事訴訟規則184条2項、被告人が召喚されて出頭できないときの診断書について、内容が疑わしいときは医師を召喚して医師としての適格性や内容を訊問しなければならない・・・。
 同規則185条・・・故意の虚偽記載があったときその他の不相当行為があったときは、裁判所が大臣や医師団体に適当な処置ができるように通知する・・・というものです。
 さらに刑法にも、私人作成の文書で内容が虚偽のものが罰せられるものが唯一、医師による公務所提出用の虚偽診断書作成です。

 これらの条文を根拠に、裁判上、医師 または 医師の診断者が信頼されていない・・・という弁護士もいます。
 だって、医師としての適格性まで見るんですよ、医学を専門にしない裁判官が。
 まあ、実際に使われることはない条文なのでしょうが、削除されずに残っていることから、まだ生きているともいえます。

 で、そんな診断書一通だけでは重要な人事上の措置は取れないし、やはり会社指定医や産業医の意見も十分考慮することが必要かな?と思いますが・・・。

 そんなこんなで議論が深まり、いろいろ個人的な思索もありつつ、年内最後のゼミが終わりました。
 「よいお年を」と言って別れました。

2011年11月21日(月)更新

人に負けない筋の通った意見をとおすために 「詭弁論理学」と「詭弁の話術」を

 みなさま、こんにちは。
 社労士の 西村介延 です。

 先週末、久々に落語を見ました。
 お題は 「つぼ算」・・・。

 この落語を見て、おもろい本、思い出しました。
 「詭弁論理学」(中公新書) と 「詭弁の話術」(阿刀田高)

 ご存知の方も多いでしょう。
 水を入れる つぼ を買いに行くおはなしです。
 「詭弁論理学」にも出ています。
 
 本当は2荷入りのつぼが欲しい・・・ですが、そこは買い物上手、まずは1荷入りを買うことにして・・・。
 3円50銭・・という番頭をいいくるめて3円にまけさせます。
 その応酬でまず笑わせます。
 「朝商いのことでっさかい、あんさんがたのことでっさかいに、同商売のことでっさかいに、どーんとまけて、うーんとおまけして、3円50銭」
 「朝商いやのうて、あんさんがたのことやのうて、同商売やのうて、どーんとおまけせんと、うーんとおまけもせんかったら、なんぼやねん?」
 「3円50銭・・・」
 
 そして近所を一回りして戻り、「やっぱり2荷入りが欲しかったんや・・・」。
 2荷入りは1荷入りの倍ででっさかいに、7円・・・やないわ、3円にしたから倍の・・・6円にですわなあ・・・(番頭泣き)。

 ここからがこの落語のおもしろいところで。
 ほなら番頭はん、いまこうた3円のつぼ、これ要らんさかいに返すわ。
 それで、つぼが3円、さっきはろうたつぼの代金、これが3円。
 合わせて6円、ええな、ほな、もろて帰るでえ。

 番頭、あわてて混乱します・・・そこで、それがこっちの、「おもうつぼや」、で落ちとなる・・・そんなおはなしです。

 このように、なんかうさんくさいが、いまいちポイントをついて反論ができない・・・こんな議論を 「詭弁」 と申します。

 「詭弁論理学」の著者は数理学者ですが、落語や「男はつらいよ」、子どものケンカを例にとって、詭弁の成り立ちを解明します。

 おもろいのは、「男はつらいよ」葛飾立志編・・・タイトルから明らかなように、主人公の寅が学問を志し・・・。
 憧れの女性考古学者のマネをして、メガネをかけたのはいいが、近所で評判になって・・・。
 以下は義弟の博との会話(ビデオで見たときの記憶による)。

 博 いいですか?勉強して、本をよんで、目が悪くなって・・・メガネをかけるんですよ。
   メガネをかけたからといってねえ、勉強したことにはならないんですよ。
 寅 気分だと言ってるんだ、気分からはいるんだからさあ、おまえだって、新しいことはじめるときは、新しいフンドシしめるんじゃないか。
 博 ぼくはパンツですよ。
 寅 そうか、お前はパンツか、お前みたいなパンツ野郎とは話し合いにならないね。
 博 パンツをはいてどこが悪いんですか

 この議論、単純に笑えますが、どこでおかしくなったのでしょうねえ??
 寅がたとえで出した フンドシ に博がのってしまったところから、おかしくなってしまいました。
 
 シナリオを書いている 山田洋二さん は、なにげない生活の中で、いつも自分たちが交わす会話を聞かされ、見せられて共感することが、「笑い」になっているのだ…と書かれたことがあります(「映画をつくる」 国民文庫)
 そんな生活のなかにあるなにげない詭弁・・・に目をむけることで、意外と議論にふりまわさrない「強さ」が生まれそうな気がしませんか?

 阿刀田高さんの 「詭弁の話術」 も、大学の論理学にも使えそうな、おもしろい本です。
 まだ、文庫本の棚には、「あ」行に 阿佐田哲也さん しかなく、浅田次郎さんも、阿刀田高さんも、並んでいなかった頃の本ですが・・・。
 
 ヒマな時にでも、ちょこっと見て下さいませ。
 「詭弁」が意外に歴史のあるものだとわかります。
 


 

2011年11月17日(木)更新

大坪勇二さんの 「月収1850万円稼いだ勉強法」 極めてまっとうな仕事術です。

 みなさま、こんにちは。
 寒くなってきましたが、お元気ですか?
 社労士の 西村介延です。

 さて、おもしろい本を見つけました。
 
 大坪勇二 「月収1850万円稼いだ勉強法」(祥伝社) です。
 
 この人の名前は知ってました。
 元生保の営業マンです。
 北村庄吾さん・・・社労士の実務勉強会 「プロゼミ」 の主宰者で、7月のメンタルセミナーの講師で、師匠・森本貴代さんのゴルフ仲間・・・が、本の中で、大坪さんからのハガキを紹介してました。
 写真入りで、文章は手書きで、ひとこと相手の印象やいいところをほめている・・・ハガキを会う人ごとに出すのだそうです。
 確かに一度会ったきりの人でも、あらためてハガキを頂くと、ああ、あのひと・・・と印象に残るし、悪い気がしません。

 そういう人の心をつかめる人の本ですから、おもしろくないわけがありません。
 もう一冊の本(「月収一万倍仕事術」)には、参考文献として、「非常識な成功法則」 も上がっています。

 先ず魅かれたのは、成績が最悪でおち込んでいたときに、ではこの状態から抜け出すために何をすべきか???を、具体的な作戦として、細かく書き出していったこと、そして書き出したことを実際に実践したことです。
 行動を細かく書き出す手法は 「非常識な成功法則」でも触れられています。大坪さん自身、そこからヒントを得たと書いています。
 そうか、このひとも 神田さんの手法を取り入れてるんだな・・・近親感と信頼感がわきました。

 北村庄吾さんが書いていた ハガキ のことも、書いてありました。
 お礼状や挨拶状をだすときには、相手のことをほめる・リスペクトしているというメッセージを出すことだと言ってます。

 そして、さすが…と思うのは・・・社長に会ったら社員をほめる・家庭に訪問したときはお子さんをほめる・・・人の痛いところをついてます。
 大坪さんは、 落語にも 「子ほめ」ってあるでしょう! と書いてます。
 同感!同感!!
 人の痛いところを突く・人心掌握術・・・それをすらっとできることがすばらしいですね。
 落語ファンとしては、痛いところを突かれました!

 「師匠」につくこと・・・も、実感です。
 結果を出し続ける人とそうでない人の違い・・・として挙げられているのは・・・。
 「ちがう池で泳げ」
 
これまでの自分を変えて、あたらしい自分に脱皮していくために、そして迷った時にあの人ならどう考えるだろう??というモデルをつくるために・・・師匠が必要なのだといいます。

 そしてセミナーに出て、そこの講師を師匠にする方法も伝授されています。
 なるほどと思ったのは、セミナーに出て実践する人が20%で、継続できるのがさらにそのうちの20%だということです。
 結局、いかにすばらしいセミナーにでても、セミナーの知恵を活かして成功するのは4%以下だという実状・・・。
 ぼくも来週から4か月かけて、月末に東京で社労士向けセミナーを受けるので、肝に銘じておきたいところです。

 その他その他、ちょっとセンセーショナルなタイトルとは別に、地道な確実な、それだけにめっちゃ参考になる本でした。
 いま、もう一冊を読んでます。

 この2冊の本のよさをひとことで言うと、参考文献が充実していて、深めたい・もうちょっと知りたいという欲求に応えてくれるところです。
 それだけ大坪さんがしっかり深めていたってことですかね。
 

2011年11月13日(日)更新

神田昌典 「非常識な成功法則(新装版)」 事業家が自らを振り返る機会になります。

 みなさま、こんにちは。
 社労士 の 西村介延 です。

 ちょっと肌寒くなってきました。
 みなさま、いかがお過ごしですか?

 先日、書店で 「非常識な成功法則」 の 新装版 を見つけましたと書きました。
 野暮用にかまけて買ったまま、2日間放置しておりましたが、きのう読みました。

 新装版。 
 言いたいことは旧版とおなじですが、データが新しくなった・脚注が入って読みやすくなったなどの点が旧版と違ってます。

 でも、マーカーや書き込みがないので、新鮮な気分で読める。
 新鮮な気分で読んで、初めて読んだときによく分らんかったことが、腑に落ちるのがわかりました。

 「非常識」 というけれど、きわめてオーソドックスです。
 ちょっと誤解を恐れないでいうと、指針セミナーでやってることを凝縮したような・・・?

 事業の理念をつくる。
 理念実現のために、やりたくないことに決着をつけ、反面でやりたいことを明らかにする。
 そのやりたいことを、日々の行動に落とし込む。
 それらを紙に書いて、毎日眺める・・・。

 で、実際、神田さんが指示するままに、やっていきました。
 なんだか、指針セミナー復習のようなところもあるなあ・・・なんて思いながら・・・。

 先日このブログで、いまこの本に出会えて幸せだと思うって書きました。
 実際に読んでみて、またそう思います。

 自分の事業をもう一度振り返って、理念から確認する作業になりました。

 ちょうど例会報告の準備とも重なって、指針セミナーを振り返り、人生を振り返り・・・と、まもなく終わる今年のうちに、決着をつけておくべきこと、もろもろの洗い出しができたみたいですよ。

 斉藤一人さんのおことば 、胸に響きます。
 偶然見つけたのですが、ぴったりの言葉でした。

   いまがあなたにとって修行のときです。
   笑顔で乗り越えましょう。

とありました。



 

2011年11月10日(木)更新

神田昌典 「非常識な成功法則(新装版)」 今日この本に出会えた幸せ!

 みなさま、こんにちは。
 社労士の 西村介延 です。

 神田昌典さん の 「非常識な成功法則」 (新装版) が書店に並んでおります。
 ビジネス書の棚に平積みされてましたので、注目されている本だとわかります。
 速攻買いました。
 神田さんの本からアドバイスを頂いていることもあるけれど・・・。
 もっと理由がありまして・・・。それは。

 きょうは例会リハーサル第2回目です。
 そこそこ準備はしたものの、あまり自信がない・・・。

 でもきょう、なんだか、天の神様が応援してくれてるんだろうな・・・と思えることがありました。
  (念のために言いますが、無神論者です。神も仏も否定はしませんが、宗教を信じているわけではないです。こういう謙虚な気持ちは大切にしたいけど・・・)

 ネットを見ておりますと、斉藤ひとりさん のおことば に出会いました。

 いまはあなたにとって修行のときです。笑顔でのりこえましょう。

 と書いてありました。

 たしかに、指針セミナーにせよ、例会報告にせよ、これまでの自分を考えて強み・弱みを見つめ、やりたいことをやるための準備だと思っています。
 そのこれまでの棚卸しとこれからの展望を、今年のうちにやらせてもらって、来年こそ、飛躍の年にすればどうよ!

 そんな姿勢で例会報告に臨もうと思います。

 その言葉に励まされて、「よし!!」 と思い、友人がやってる裁判を傍聴に大阪簡裁にいきました。
 
 その途中立ち寄った淀屋橋の書店で見つけたのが、この本です。

 神田昌典さんはファンの方もたくさんいらっしゃいますよね。
 ぼくがファンになったのも、この本がきっかけでした。
 行政書士さんの本でも、推薦図書であがってました。

 改訂版 というように、2002年に出たものを一部修正した本です。
 ぼくも旧版は持ってますが、ぼくにとって大事なのは、いま、この時点でリハーサルの朝、この本にであったということなんです。

 いまこの本にであったということは、もう一度このタイミングで新しくなったこの本ともう一度向き合って見なさい。
 そしてこの本に出会った時の初心に帰って、自分を棚卸ししなさい。
 修業でもなんでもいいけれど、自信をもって、いまの時期をしっかりのりこえなさい!!
 そんなメッセージだとおもいました。

 速攻買って、簡裁に行き、傍聴し、友人と昼ごはんを食べてましたら、きのう原塾でごいっしょした方から、例会報告の要領をメールで頂きました。
 そうだ、みんな応援してくれてる!
 大丈夫!

 そんなことがあって、いま帰ってきました。

 ざっと読んでみて、「非常識」かもしれないけれど、参考になる本だと思います。
 旧版を持ってる方も、一度みてください。
 常識にとらわれない・カネを儲けることの本質みたいなことにふれて、アッと思うような、思わないような。

 ぼくにとっては、いまこのタイミングでこの本に出会えたこと、それ自体がけっこうラッキーだったんですけど・・・。
 これもご縁、この本をTTP(徹底的にパクる)でいきたいと思います。

 
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