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2012年04月15日(日)更新

また京都で痛ましい事故!2度と起こさないために、健康診断受診と適切な措置を

 みなさま、こんにちは。
 熱血漢社労士 西村介延 です。

 先日、新聞の社会面では、交通事故関連の記事が3つ載ってました。

 ひとつは堺市議の飲酒ひき逃げ事故の判決が出たというもの。
 懲役で執行猶予つきでした。
 致傷事件なのに・・・懲役。
 飲酒ひき逃げで、刑は重くなっているようですね。
 通常、わざとでない(過失)事件だと、致死でも禁固が相当だというおはなしでして。
 これは友人のお父さん(元宮崎地検検事正)からきいたはなしです。
 ちなみに、義弟の事件の被告人は、致死事件で、禁固・執行猶予でした。

 もうひとつは警官がひき逃げしたというもの。
 ひとをひいて逃走したのではなく、虚偽の連絡先を被害者に告げたというものでした。
 しかし、けっきょく逮捕はされたもようです。


 そしてみっつめは、京都祇園での、あの痛ましい事故!! 
 某国のミサイルだか、人工衛星だか、ロケットだか のあおりを受けて、それこそ、「ぶっ飛んで」しまいましたけど・・・。
 加害者が死亡してるので、詳しい事実はわからないのがくやしいですが・・・。
 てんかん の持病があったのは、家族や医師のはなしから、事実らしい。

 そして、事故直前、てんかんの発作が出たのではないか?と疑われています。
 どうもそうではなさそうだ・・・という見方も有力のようですが、当の本人が死亡してるので、わからない。

 しかし、てんかんの発作が出る可能性があれば、運転免許自体取得・更新できないし、もちろん運転さえできません。

 本人は病院にも行き診察も受け、投薬もされているようではありますが・・・。
 しかし医師は運転するな!と厳禁したといってる。
 なぜ運転した・運転の必要な業務についたのか?
わかっていない・・・。
 事故前日に話し合ったらしいけど・・・よくはわからない。

 雇い主はてんかんの持病を知らなかったといっている・・・。
 日ごろの業務や挙動で あれ?っておもうとき、なかったんでしょうか?

 でも、本当に知らなかったどうかが、ここでの問題ではありませんけどね。

 で、ここからがメインですけど。
 労働者を雇用し、労働契約にもとずいて現に労働させるには、その労働にたえるだけの健康 は当然の前提です。
 使用者は賃金を支払い、労働者は働く・・・これが労働契約なんで。
 民法では、双務契約っていいますが、双方が義務を負う関係です。

 労働者は契約で定めた労働ができるだけの健康を求められ、使用者は契約上、健康を求める権利があります。

 しかし、反対に、使用者には労働者が健康に働けるよう配慮する義務も(健康配慮義務)、あります。
契約上の付随義務っていってますけど、メインじゃないけど、メインのためにやっぱ、必要な義務って感じですかね。

 だから・・・??
 定時の健康診断のほかにも、健康上あやしいところ・不審な挙動があったりしたときのために・・・。
 就業規則等で、以下のような定めをしておくべきですし、現にそのように運用するべきです。

   ①使用者はその労働者に健康診断の受診 と その結果報告を命じる
   ②受信先は使用者が指定する医師・病院や産業医に指定する
   ③費用は労働者負担
   ④命令にしたがわなければ、意思に反しても受診させる・懲戒処分(それもそこそこ重いもの)を課す
   ⑤健康診断の結果にもとずいて、適切な治療・処置を受け、回復に全力を傾ける
   ⑥契約上の労働ができないのなら、休職する(休職を命じる)
 もちろん、就業規則も、契約内容にするには、周知さすことは必要です。
 このあたりは、まあ、労働契約法で条文になったりしてますんで、ご存知かと。


 意思に反しても とか、きつい懲戒・・・というのは、かなりきついかもしれないですけどね。
 ま、その病状や労働の実態に応じてでしょうけど。

 でも、万が一にでも今回のようなことになると、労働者自身つらい目にあうわけですし。
 事業主さんだって。
   きちんと健康に配慮してたか?
   日ごろから事故の無いよう、監督してたか?
   適正な業務割り当て・選任だったか?   
 などを、民事責任で問われる可能性もあります(715条 使用者責任)。
 しかも、直接の加害者である被用者には、全面的な求償(代りに払ったから、返して!)はできないのが、実務です。
 ひとの命を奪いかねない危険なものを動かして利益を得てるから(危険責任・利益責任)・・・といわれています。

 細かいことをいえば、一応こうしたことは被告側(事業主さん側)の主張・立証(抗弁)事項といわれております。
 しかもほとんど認められないのが、実務の流れだそうでして・・・。

 双方にとって、大変な不幸なわけで・・・。

 健康診断については、電話交換手の健康診断をめぐって、最高裁判所まで争われた有名な事件もあります。
 就業規則等で健康診断の受診義務を定め、業務の性質上受診が合理的で相当であれば、受診を命じることができる といってます。

 使用者の健康配慮義務 と 労働者の健康維持義務
 いずれも、付随義務だったり、本来のの義務の前提だったりですけど。

 労働契約関係は継続的な関係ですんで、双方の信頼関係、重要です。
 やっぱ、快適で長続きする契約関係の基本的な問題なんではないでしょうかね?

 今回の事故は、使用者はホントに知らなかったのかもしれないけど。
 また、てんかんが原因ではない可能性もあるけれど。

 もういちど、労働契約の本筋・本質に帰って、考える問題のようにも思います。

 4月23日と5月2日のメルマガでも、取り上げますので、ご覧くださいませ。
 http://www.mag2.com/m/0001397371.html
 まぐまぐのメルマガです。

 ところで・・・。
 堺市議さん、反省してるんでしょうか?

 まさか、執行猶予だから、無罪放免だって思ってないでしょうね?
 あくまで、執行を猶予されただけなんで、有罪だってことなんですよ。
 義弟の加害者とそのオヤジもわかってなかったようだけど・・・。

 辞職すればいいってもんでもないけれど・・・。
 住民の代表としての矜持持ってくれてるんでしょうかね?

 事故る可能性が少しでもあるなら、乗るな!!
 ひとの命を奪う危険なものを動かしているという自覚を持て!!
 ドライバーの「きほんのき」っす!!

  

2012年04月15日(日)更新

元始、女性は太陽であった・・・そしていままた、みずから光りかがやく

 みなさま、こんにちは。
 熱血漢社労士 西村介延 です。

 女性経営者全国交流会 の 実行委員に推されて、うれしかったのか・・・。
 金曜日はつづけて2発もブログ、書いちゃいました。

 なんでうれしかったのかっていうと・・・。

 金曜日にも書いたけど。
 平塚らいてうさん の 元始、女性は太陽であった を思い出したから。
  
 大正期から昭和、そして敗戦・・・新憲法のもとで、婦人の権利・自由のために生きた女性の伝記です。
 権利・自由・・・っておおげさだけど・・・。
 よりよく生きる・自分らしく生きる・・・。

 放任される自由を意味する フリーダム ではなく、自らの意思で生きる・かちとる自由を意味する リバティ の思想
といえば、平塚らいてうさんの真意にちかいでしょうか? 
 このことば、映画「ダウンタウン・ヒーローズ」(山田洋二監督・脚本)で、旧制高校教師の すまけい さん が旧制高校最後の講義で、講義するときのセリフです。

 同友会的に言うと・・・。
 人間尊重の経営。
  
 平塚さんの主張のとおり、大昔、社会でも・家庭でも、主導権は女性が握っていました。
 太陽のように、かつては自らが光りかがやいていたのです。

 のちに、おとこ社会・・・っていわれるようになって。
 自らの力では光りかがやけない時代・・・、
 平塚さんのいう 今は月である という時期にあってさえ。

 たしかに、法律的には「無能力」とされ、ひとりでは何もできなかったけれど。
 また、女性には選挙権も与えられなかったけれど・・・。

 それでも、家の経済的・実質的な実権をにぎることが多かったのではないでしょうか。
 ユダヤ5000年の公理として、女と口 なんていわれるのも・・・。
 いかに経済的な実権を女性が握っていたか の あかし です。

 しかし、見方変えますと。
 女性が輝けない時代に、おとこだって、輝けるわけないですね。

 だから、女性の権利・女性の自由・・・っていうけれど、ホントはおとこもふくめ、みんなのためにやってんのよ。
 だから、この時代での、人間尊重の運動 ってことっすかね。

 そして、いままた、女性がみずから光りかがやける時代になって・・・。
 経営の場面でも、おとこと対等、むしろ男をしのぐ力量をみせているようにおもえます。

 
平塚さんの パワー と スピリッツ は、いまの時代にも、より強く、生きていると思います。
 いままた、女性は太陽である・・・。

 「青踏」の宣言で、こんなことば、かいてます。

 本当に願い、おもうことは、かならず実現するのだ。

 いまでは当たり前のようにいわれることばですが・・・。
 戦前の日本で、こんなこというひと、ほとんどいなかったはずです。
 この ニューソウト という考え方がアメリカで生まれたのが、この時代のちょっと前ですからね。
 (と、ものの本には書いてました)

 長い時間と多くの犠牲をはらったけれど、「青踏」発刊から何十年かして、平塚さんたちの女性解放・地位向上への想いは、ほんとうに実現しました。

  そのむかし、この本を、いまの嫁といっしょに読んだころを思い出して。
  そういうことでは、初心 みたいなもんですね。
  そんな思いで、熱血漢社労士も、実行委員 やらせて頂きまっす。
 
 
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