熱血漢社労士 西村介延 の 日誌 | 経営者会報 (社長ブログ)
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二木雄策著 「交通死」(岩波新書 518)
みなさま、こんにちは。
熱血漢社労士 の 西村介延 です。
今週は 「総会」ウイークでして、木曜日は同友会の総会 きょうは労務士会の支部総会 にでました。
大阪同友会の定時総会に出て驚いたのが、「原塾」メンバーの大活躍♪♪
大学と高校の求人責任者に2人のメンバーが入ってます。
また、大学や他の同友会へ 講師派遣 で行ってる方も、メンバーから延べ6名 名簿に出てました。
各方面で活躍されているメンバーの名前を見まして。
一流の仕事をしてる方と肩を並べて経営の勉強ができてるってすんごい!!
熱血漢社労士 も、踏ん張らないと!!と思いました。
さて、「交通死」二木雄策著 岩波新書 518(1997年刊)
いま、交通事故とチカン・セクハラと政府の不祥事が新聞に出ない日はありません。
先日の京都の事故をはじめ、大小さまざまの事故がおきています。
義理の弟も、赤信号で停止中に、居眠り運転の大学生の車に後ろから追突されて亡くなりました。
先日のブログに対し、「千葉の将軍」さんからも、熱いコメントもいただきました。
ぜひ、この問題、みなさまにも考えて頂きたいです。
そう思って、既に絶版になった本ですが、紹介します。
4月23日と5月2日付のメルマガでも紹介します。
まぐまぐのメルマガです。
http://www.mag2.com/m/0001397371.html
運転者の信号無視でお嬢さんを亡くされた二木雄策先生(神戸大学名誉教授)の著書です。
「交通死」を社会的な拡がりの中で考える(あとがき)本です。
「交通死」・・・交通戦争のなかで亡くなる事件を、戦死になぞらえて、二木雄策先生が考えられました。
「はじめに」で、このように書かれています。
長いですが、引用します。
スピードを出しすぎてハンドルを取られ、歩道を歩いている人を跳ねとばし、自分自身も電柱に激突し、ともに命を失ったとします。
・・・
この事故による二人の死は全く異なったものなのです。
一方の死はいわば自業自得かもしれません。しかしもう一方の死は他殺であり殺人なのです。
これは交通事故ではなく、交通犯罪なのです。
私が、戦死という言葉になぞらえて「交通死」とよぶのは、この被害者の死なのです。
二木雄策先生のお嬢さんは、1993年1月12日午後8時20分ごろ、アルバイトの帰途、青信号で横断歩道を渡っている途中に、赤信号を無視した車にはねられました。
検察官の論告(求刑を根拠づける最終的な主張)によると。
被告人は普通貨物自動車を運転中、考え事または脇見をし、前方不注視の結果、対面信号の確認を怠り、赤信号を看過して交差点に進入し・・・とあります。
二木雄策先生が 「おおきなわだかまり」 といわれるのは。
加害者が信号手前の交差点で止まらなかっただけではなく、最初の横断歩道を走り抜け、さらに交差する車道も突っ切ったうえで、次の横断歩道上で娘さんを跳ねとばしたという事実 です。
このあいだに停止する余地はなかったのだろうか?とりうる手段がなかったのだろうか?と疑問を投げかけておられます。
ルールを守ったほうが死に、規則を破ったほうはかすり傷ひとつ負っていない。
この想い、おなじです。
義弟も、一昨年の6月29日あさ5時01分、放出東の交差点で右折のため、原付バイクで、赤信号停止中、本来は直進レーンを走行するはずが、右折レーン進入してきた車に跳ねられて、1時間30分後、亡くなりました。
後に公判で検察官が言うところでは、その前になんどか、蛇行運転でガードレールをこすりそうになったそうです。
居眠りをしかけてたのだと思います。
そのときに運転を一旦停止しておれば、事故にはならなかったかもしれない・・・。
その加害者にこの本を読んで、レポートを書いてもらいました。
その文章をみれば、事故について考え、反省してるか?多分わかるとおもいましたが・・・。
まあ、書いてることはただの寝言・・・、寝言は寝ていえ!!。
みなさまにも、目を通して欲しいとは申しましたが。
二木雄策先生が加害者や制度のカベと闘った当時とは、法制度もずいぶん変わりました。
ちなみに。
この事故は1993年で、判決は1994年、この本が出たのが1997年です。
この本の中で言われていることのいくつかは、一部解決したものもあります。
刑法に危険運転致死傷罪が新設され、さらに自動車運転過失致死傷罪もできました。
それまでの、業務上過失一般とは独立して、交通死特有の犯罪類型ができました。
二木雄策先生が主張された交通事故ではなく交通犯罪という考え方が、認知された結果とも思えます。
特に危険運転罪は、二木先生が故意犯とおなじだろう!!といわれたことが、厳格な要件で実現したものです。
テレビの報道などをみていても、交通犯罪ではたいがい、この罪の成否が争われます。
また、交通犯罪に限りませんが、手続き面でも、被害者の参加制度や意見陳述制度もできました。
これまでの3面構造・・・検察官と被告人・弁護人が主張をたたかわせ、それを裁判官が判断するという構造に、あらたな人物が登場したわけです。
被害者からすれば、勝手に裁判されてる・被害者(遺族)がいちばん傷ついてるのに・・・という不公平感・疎外感が幾分か緩和されたとは思います。
義弟の加害者の裁判でも、意見陳述はさせていただきました。
参加制度を利用したかったのですが。
手続きが複雑で弁護士を立てる必要があり、加害者が全部起訴事実を認めてるので、あまり意味がない・・・。
それから、二木先生が交通裁判が甘くなっている(寛刑化)と指摘されているのは、最近変わってきているのかもしれません。
あと、交通事故裁判で使う 民法の不法行為の条文も変わりましたし、民事訴訟法も全面改正されてます。
なんで、現時点では、本を読んでて、「ん?」と思うような違和感を覚えることも、ないではありません。
しかし、そんなささいな違和感をこえて、交通犯罪被害者と遺族の思い・・・伝わります。
あとがき のことば、引用します。
義弟の加害者にも読んで聞かせましたが、彼のこころには届きませんでした。
この書物が書店の棚に並ぶころ、娘の5回目の盂蘭盆会を迎えることになる。・・・
この間の日々は、娘がもう私たちのところには戻ってこない、ということを自分自身に言い聞かせる毎日だった。・・・
いまではもう、一時のような激情に襲われることはない。しかし思いもかけないときに、こころが乱れ、それを収拾するのに困惑するのはいまだに稀なことではない。
交通死。
被害者・遺族にはもちろん、加害者にさえ、幸せなことはありません。
起こさない・起こさせない・・・それがいちばんいいのです。
二木雄策先生のおもい は、すべての被害者と遺族の想いです。
熱血漢社労士 の 西村介延 です。
今週は 「総会」ウイークでして、木曜日は同友会の総会 きょうは労務士会の支部総会 にでました。
大阪同友会の定時総会に出て驚いたのが、「原塾」メンバーの大活躍♪♪
大学と高校の求人責任者に2人のメンバーが入ってます。
また、大学や他の同友会へ 講師派遣 で行ってる方も、メンバーから延べ6名 名簿に出てました。
各方面で活躍されているメンバーの名前を見まして。
一流の仕事をしてる方と肩を並べて経営の勉強ができてるってすんごい!!
熱血漢社労士 も、踏ん張らないと!!と思いました。
さて、「交通死」二木雄策著 岩波新書 518(1997年刊)
いま、交通事故とチカン・セクハラと政府の不祥事が新聞に出ない日はありません。
先日の京都の事故をはじめ、大小さまざまの事故がおきています。
義理の弟も、赤信号で停止中に、居眠り運転の大学生の車に後ろから追突されて亡くなりました。
先日のブログに対し、「千葉の将軍」さんからも、熱いコメントもいただきました。
ぜひ、この問題、みなさまにも考えて頂きたいです。
そう思って、既に絶版になった本ですが、紹介します。
4月23日と5月2日付のメルマガでも紹介します。
まぐまぐのメルマガです。
http://www.mag2.com/m/0001397371.html
運転者の信号無視でお嬢さんを亡くされた二木雄策先生(神戸大学名誉教授)の著書です。
「交通死」を社会的な拡がりの中で考える(あとがき)本です。
「交通死」・・・交通戦争のなかで亡くなる事件を、戦死になぞらえて、二木雄策先生が考えられました。
「はじめに」で、このように書かれています。
長いですが、引用します。
スピードを出しすぎてハンドルを取られ、歩道を歩いている人を跳ねとばし、自分自身も電柱に激突し、ともに命を失ったとします。
・・・
この事故による二人の死は全く異なったものなのです。
一方の死はいわば自業自得かもしれません。しかしもう一方の死は他殺であり殺人なのです。
これは交通事故ではなく、交通犯罪なのです。
私が、戦死という言葉になぞらえて「交通死」とよぶのは、この被害者の死なのです。
二木雄策先生のお嬢さんは、1993年1月12日午後8時20分ごろ、アルバイトの帰途、青信号で横断歩道を渡っている途中に、赤信号を無視した車にはねられました。
検察官の論告(求刑を根拠づける最終的な主張)によると。
被告人は普通貨物自動車を運転中、考え事または脇見をし、前方不注視の結果、対面信号の確認を怠り、赤信号を看過して交差点に進入し・・・とあります。
二木雄策先生が 「おおきなわだかまり」 といわれるのは。
加害者が信号手前の交差点で止まらなかっただけではなく、最初の横断歩道を走り抜け、さらに交差する車道も突っ切ったうえで、次の横断歩道上で娘さんを跳ねとばしたという事実 です。
このあいだに停止する余地はなかったのだろうか?とりうる手段がなかったのだろうか?と疑問を投げかけておられます。
ルールを守ったほうが死に、規則を破ったほうはかすり傷ひとつ負っていない。
この想い、おなじです。
義弟も、一昨年の6月29日あさ5時01分、放出東の交差点で右折のため、原付バイクで、赤信号停止中、本来は直進レーンを走行するはずが、右折レーン進入してきた車に跳ねられて、1時間30分後、亡くなりました。
後に公判で検察官が言うところでは、その前になんどか、蛇行運転でガードレールをこすりそうになったそうです。
居眠りをしかけてたのだと思います。
そのときに運転を一旦停止しておれば、事故にはならなかったかもしれない・・・。
その加害者にこの本を読んで、レポートを書いてもらいました。
その文章をみれば、事故について考え、反省してるか?多分わかるとおもいましたが・・・。
まあ、書いてることはただの寝言・・・、寝言は寝ていえ!!。
みなさまにも、目を通して欲しいとは申しましたが。
二木雄策先生が加害者や制度のカベと闘った当時とは、法制度もずいぶん変わりました。
ちなみに。
この事故は1993年で、判決は1994年、この本が出たのが1997年です。
この本の中で言われていることのいくつかは、一部解決したものもあります。
刑法に危険運転致死傷罪が新設され、さらに自動車運転過失致死傷罪もできました。
それまでの、業務上過失一般とは独立して、交通死特有の犯罪類型ができました。
二木雄策先生が主張された交通事故ではなく交通犯罪という考え方が、認知された結果とも思えます。
特に危険運転罪は、二木先生が故意犯とおなじだろう!!といわれたことが、厳格な要件で実現したものです。
テレビの報道などをみていても、交通犯罪ではたいがい、この罪の成否が争われます。
また、交通犯罪に限りませんが、手続き面でも、被害者の参加制度や意見陳述制度もできました。
これまでの3面構造・・・検察官と被告人・弁護人が主張をたたかわせ、それを裁判官が判断するという構造に、あらたな人物が登場したわけです。
被害者からすれば、勝手に裁判されてる・被害者(遺族)がいちばん傷ついてるのに・・・という不公平感・疎外感が幾分か緩和されたとは思います。
義弟の加害者の裁判でも、意見陳述はさせていただきました。
参加制度を利用したかったのですが。
手続きが複雑で弁護士を立てる必要があり、加害者が全部起訴事実を認めてるので、あまり意味がない・・・。
それから、二木先生が交通裁判が甘くなっている(寛刑化)と指摘されているのは、最近変わってきているのかもしれません。
あと、交通事故裁判で使う 民法の不法行為の条文も変わりましたし、民事訴訟法も全面改正されてます。
なんで、現時点では、本を読んでて、「ん?」と思うような違和感を覚えることも、ないではありません。
しかし、そんなささいな違和感をこえて、交通犯罪被害者と遺族の思い・・・伝わります。
あとがき のことば、引用します。
義弟の加害者にも読んで聞かせましたが、彼のこころには届きませんでした。
この書物が書店の棚に並ぶころ、娘の5回目の盂蘭盆会を迎えることになる。・・・
この間の日々は、娘がもう私たちのところには戻ってこない、ということを自分自身に言い聞かせる毎日だった。・・・
いまではもう、一時のような激情に襲われることはない。しかし思いもかけないときに、こころが乱れ、それを収拾するのに困惑するのはいまだに稀なことではない。
交通死。
被害者・遺族にはもちろん、加害者にさえ、幸せなことはありません。
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